お椀の下地
以前にお椀の下地をどんな風にしているのかとおたずねがありました。
もう十年以上たってしまいましたすみませんでした。
一回の仕事のロットは百二十個が限界です。
木地が届くとまず、クラックや節を突きのみ彫ります。
こくそをするのはまとめておきます。
少しの節でも見逃さないようにします。
段取りとしては内側をこくそして
高台して、外側という順にこくそをします。
クラックが深いところは2回3回とこくそをします。
こくそが乾いたら磨いておきます。
磨いたら、木固めです。
内側から漆がしみ出ています。
木固めは大変大事な仕事だと思っています。
ここを手抜きしてはどうにもなりません。
木固めが終わったら、磨きをします。
布張りです。これもただでたらめに張っているわけではありません。
布の縦糸、横糸と木地の柾目、板目を
うまく適合させることが大事です。
高台の布張りと口の布張りは
出発点が逆にならなくてはないません。
口の板目から布を張っていきます。
高台は反対の板目から始めていきます。
突き当たりも柾目が横糸になるように張っていきます。
のり漆はかなり辛いです。
布払いです。布の重なりやバリを小刀で
とってしまいます。
くくりです。生地と布の段差をなくするための仕事です。
一辺地で行っています。内側は、蒔き地で仕上げるためここではまだしません。
ここもしっかり磨いておきます。
これもしっかり仕事をしないと下地がきれいにつきません。
やっと、一辺地をつけます。
付けるところが六カ所なので
1週間かかります。
一辺地終わり、地磨きをしました。
今度は二辺地です。
これも1週間で仕上げます。
二辺地の上がりです。
下地の仕事はこれの繰り返しなので、
つまらないという人もいますが
私は漆の仕事の醍醐味だと思っています。
三辺地をつけています。
この状態になってくると肌も
かなりなめらかになっています。
三辺地があがりました。
三辺地を磨きました。
ここではへら目をしっかりとっておきます。
目止めの錆を薄くつけます。
錆はあくまで、地のピンホールを止めるのが目的です。
錆を磨いて化粧錆をつけます。
ともかく薄くつけるのがこつです。
これで外側の下地は終わりに近づきました。
地が三回、錆が二回これだけでほぼ一月の仕事です。
こくそ、木固め、布張りは二週間以上かかりますから
ほぼ2ヶ月で外の仕事が上がります。
これで外側の仕事は上がりました。
内側のくくり準備です。
内側を磨いておきます。
くくりですが、本地をつけます。
本地は漆に地を混ぜたものです。
私の本地の作り方は一種の呂瀬漆に地を混ぜます。
ともかく薄くつけます。
乾くまで二〜三日かかります。
木地を布の段差があるときは
もう一回くくりをつけます。
きれいに磨いてほこりを取っておきます。
蒔き地です。
これを二回繰り返します。
あまり厚すぎても薄くてもいけません。
生漆に溶剤を入れて蒔き地をすることは間違いです。
きちんと乾いたら、磨いておきます。
ほこりはきれいにとっておきます。
目止めをしておきます。
これもピンホールを押さえるのが目的です。
これで下地があがりました。
半年以上寝かせておきます。
1年以上が理想です。
下地の研ぎをしました。
研ぎが終わったらきれいに洗って乾かします。
内側の下塗りをします。
高台の内側も
外側は下地固めをしておきます。
下地固めを磨いて、下塗りをします。
内側の下塗りを研いで、
中塗りのベンガラを塗ります。
これで外側の下塗りを研いで文様を
いろいろつけて
いきます。
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