お椀の下地
本格的に仕事モードにしなくてはと思っていたと頃に、
注文していた椀の木地が到着しました。
今は、お椀の時代ではないという人もいますが
無視して仕事を進めます。
これが割合多い節です。
たぶんこれは虫食いだと思います。
砥の粉に接着材を混ぜて穴をふさいでありました。
これも使っているうちに痩せがでてくる可能性があるので、
きちんと掘ってコクソで埋めます。
半分位は節があったり、穴が開いたりしています。
素地をつくってくれる人は穴とかクラックを親切心で
埋めてくれているのですが、それが返って後から
問題が出ることが多いのです。
節とか穴はきちんとこくそ彫りをして
埋めなくてはなりません。
こくそ彫りをしたらコクソを2〜3回かって
きちんと埋めてしまいます。
これを見逃すと使っているうちに
クラックが入りその修繕は新しくつくるより
何倍もの手間がかかります。
これがいちばん慎重にしなくてはならない仕事かもしれません。
コクソが終わったら木固めをします。
生地が薄いので木の導管から漆がしみ出てきます。
これで生地が固まってしまいます。
この仕事を木質乾漆みたいだと言った人がいました。
私の場合、生漆でなくクロメ漆でします。
初めの何回かは生漆でしていたのですが
生漆の含水率が気になったのでそれからは
こんなふうに仕事をしています。
固めが乾いたら全体を磨いておきます。
布はりをします。
高台も布はりをします。
内側の突き当たりは少し辛めの糊漆で
布はりをします。
布の重なりとか毛羽立っているところを
きれいにとってしまいます。
一辺地をあわせています。
木地と布の境を埋めるために地で埋めていきます。
弘前ではくくりという仕事です。
外側は本堅地の下地をします。
全体に地をつけて乾いたら地みがきをします。
二辺地をつけます。
二辺地をつけ地みがきをして次が三辺地です。
三辺地をつけると地は終わります。
地のピンホールを採るため薄く錆を付けます。
全体に錆を付けて乾いたら磨いておきます。
最後に薄く二回目の錆を付けます。
こき錆とか化粧錆と言います。
内側の下地をします。
椀の内側は椀の命だと思います。
くくりは本地でします。
少しでも厚くつけると乾かなくなるので
薄く二回つけます。
地を二回ないし三回蒔きます。
布の目や段差がなくなるのが目安です。
辛めの錆で固めて下地が上がりました。
一年位涸らしてから下地を研いで
塗に入ります。
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