2008年7月

お椀の修理

修理 元はどんな状態であったかわからないくらいに 直っています。 やはりこんなことができるのは漆の仕事の醍醐味だと思います。


修理 昨年の青森の展示会からお椀の修理が六個になったので まとめて修理してしまいました。 全体にかなりひどい状態でしたが どうにか仕上がりました。


桟付け

修理 桟に麦錆を付けて重箱のいかけの厚さを測り 桟を固定します。 麦漆はなかなか乾かないので三日ぐらいそのままにして 乾いたら水研ぎをして 薄く漆を塗って全体を研いで中塗り研ぎの完成です。


中塗り研ぎ

修理 今回の重箱は、桟を後付しますので桟も研いでおきました。 桟をつけたり、お膳の足をつけるという作業はもう二十年以上していない仕事です。 一仕事が終わってからもう一仕事するという気分です。


修理 艶が上がったので無地の塗り立てをするために 中塗り研ぎをしました。 基本的に朱を塗るところは朱かベンガラで中塗りを塗ります。


仕上げ艶

修理 二回目の仕上げ艶です。これで完成です。 今回の仕事は塗り直しということで仕上げてみました。 弘前の仕事では修理と言えばかけたところとかクラックを 埋めて部分的に直すことを言います。 それと今回のような塗り直しは修理には違いないのですが 言葉で修理と塗り直しを分けて使っています。


修理 中艶のあとに一回摺り漆をして軽くこすって 角粉で磨き一回目の仕上げ艶をつけました。 ほぼ完成ですが 摺り漆の持ちをもう少しつけた方がよいのでもう一回すりをしました。


中艶

修理 千辺艶が終わり、摺り漆を二回重ねて軽くこすり角粉で 磨きをかけると弘前でいっている中艶と言うことになりいます。 ここでは力のいれ具合がこつのいる作業です。


修理 千辺艶に比べると明らかに艶の上がりが違って見えます。 このように艶の上がり具合は前の仕事と比べてみることによって はっきりわかります。


千辺艶

修理 これがうまく上がると後はかなり楽に仕事ができます。 よく千辺艶は、きちんとつけるように若いときは言われたました。それにしても 今、呂色仕上げの善し悪しわかっている人は本当に少なくなってしまいました。


修理 弘前では千辺艶、一般には胴ずりと呼ばれる仕事です。 ここできちんと艶をつけておかないと きれいな仕上がりにはなりません。


炭はぎ

修理 こんな乾いた状態では荒い傷は見えませんので 水で濡らしてみると炭足がついていたり 炭の針といって堅い部分で傷ついていることもあります。


修理 駿河炭で研いでみました。こんな感じできめが細かい 仕上がりにします。


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