2008年6月

仕上げ研ぎ

修理 大清水砥で仕上げ研ぎをしました。 仕上がりはこんな感じですが 次の炭はぎがきれいにするためにも ここは丁寧な仕事が必要です。 津軽塗の仕事はここまでくれば八割ぐらい完成したと同じです。


仕上げこき

修理 ここでは凹凸が完全になくなるように研がなくてはいけないので ある程度加減を見ながら漆をこきつけます。 さっと研いだだけで平らになっていなければなりません。 中こきの時はいくらか力を入れてこきますが 仕上げこきの時は力を抜いた感じで仕事をします。


中研ぎ

修理 模様を壊さないように中研ぎをします。 だんだん凹凸が少なくなってきました。 このとき無理をして研ぎすぎると仕上がりが台無しになってしまいます。 あくまでも慎重に研ぎます。


中こき

修理 普通漆の仕事では、クロメ漆を塗るときは 刷毛を使って仕事を進めていきます。 津軽塗の特徴でもあるのですが こきと言ってへらで漆をしごいていきます。 このときのへらがイタヤカエデのへらで威力を発揮するのです。 ほかの産地にはない仕事のひとつです。


荒研ぎ

修理 全体のバランスをとりながら荒研ぎをしました。 唐塗は本当に久しぶりの仕事なのでわくわくしてしまいます。 仕掛けの頭を少し出すくらいにきちんと研いでおきます。


修理 こうして仕事をしてみますとやはり唐塗が 津軽塗の大道だという気持ちになってきます。 唐塗も捨てたモノではないという気になってきました。


上げ

修理 黒上げと赤上げの仕上げにしてみました。 通称黒上げの仕上がりをからす塗と言っていますが どうしてそんな名称が付いたのか聞いてみたことがありましたが はっきりとした答えはわかりませんでした。 勝三さんの話ではあだ名が”からす”と言う人が得意としていた 仕事なのでそんな名前が付いたと言っていました。


修理 呂の上のかけるのは妻と言います。 妻はいろいろな色を塗りますが 今回は白妻にしてみました。


修理 彩色が乾ききれいに水洗いをして 合い呂とか止めと言われている作業です。 薄く素黒目漆を塗りました。


修理 合い呂が乾いたのでもう一度 素黒目漆を塗ります。 乾いた感じがこんな色合いになります。


彩色

修理 彩色に入りました。薄く朱で彩色をして その上に梨地粉を蒔きます。 前の塗が梨地の彩色であったので それを踏襲したと言うところです。


塗かけ

修理 仕掛けも乾き、塗りかけに入りました。 仕上がりをイメージしながら塗に入ります。 今回は通称”からす塗”という仕上げを考えています。 最初に石黄を塗りその上に朱を塗りました。


仕掛け

修理 下地を水研ぎして、仕掛けを打ちました。 仕掛け漆の調合がよくわからなく少し難儀しましたが どうにかなると思います。


修理(塗り直し)

修理 大正の終わりか昭和の初め頃の重箱が家内の実家から 出てきて修理ができるかというので修理はできないけど 塗り直しならできそうだと言うことで久しぶりに唐塗の仕事を することになりました。


修理 80年以上経っているモノなので 艶はほとんど無くクラックや欠けはそこら中にありました。 大きなクラックや欠けはコクソで埋め、桟はとってしまいました。 裏に持ち主の名前が付いています。


修理 木地の狂いもあるのでコクソと地で狂いを直し 錆で目止めをして一応下地が上がりました。 古いモノを直して使えるようにするというのは 漆の仕事の醍醐味だと思っています。 津軽塗はある程度きちんと下地をしているから 修理がきくのです。


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