…何で畑作り?…

 

・実は、もう九年畑作りをしています。これには、訳があります。
九年前の三月、私の高校時代の恩師、”佐藤 謙”先生が亡くなりました。五十三歳でした。私にとっては、中学時代からのアイドルでした。新採用で、弘前南高校の体育の教師、バスケット部の顧問をしていました。それがあったから、私は南高校へ行ったようなものです。
 卒業しても、時々会うことはありましたが、南高校を転勤になってからは、よく山菜採りやキノコ取りに行っていました。特に定時制高校へ転勤したときは、本当によく行っていました。
 ある時、畑をやっているというのでのぞきに行きました。ロケーションのすばらし所で、草取りをしていました。

 その先生、私たちは、”謙ちゃん”と呼んでいましたが、亡くなったあとあの畑を誰がやるか、と言う話になりました。どういう訳か、その場に私がいたんです。それで「形見だと思い、私がやります。」といってしまったんです。
 これが、畑をやることになった発端です。
草の取り方もわからないし、畝をつくれば曲がりっぱなしだし、野菜の名前もろくにわからないのに、周りを見れば、堆肥をつっくっている人とか、野菜に詳しい人とか、畑仕事に協力してくれる人が、たくさんおりまして、どうにかこうにかやっているようなものです。

 それでもこの頃は、いくらかなれてきて、少し楽しんで、畑仕事をすることができるようになりました。今私の仕事は、”半農半漆”というところです。