2008年11月

修理のお椀

修理のお椀 高台の下を塗り立てして 修理が完了です。


修理のお椀 全体の艶をつけて外側の修理はできあがりです。 修理したあとはほとんど解らない状態です。 塗り立ての仕事は塗り直してしまいますが 呂色仕上げは使い手がぬりものを育てていることが 実感できる仕事だと思います。


修理のお椀 欠けているところが埋まり呂色漆を塗り 炭研ぎします。微妙なへこみを直しながら研いでいきます。


修理のお椀 欠けているところをこくそ、地、錆というように 丁寧に埋めていきます。 弘前のぬりものは基本的に塗り立てではないので 欠けているところとか、傷がついているところを直すのが特徴です。 そんな仕事ができるのも他の産地ではほとんど無いと思います。


修理のお椀 毎日使っているといろいろ事故もあると思います。 十年以上使ってこのくらいですから 良い使い方をしている方だと思います。 お椀が一番酷使されるのは内側ですから そこが故障していないということは かなりうまく下地をしていると言うことだと思います。


修理のお椀 七個の内一つだけが内側にクラックが入っていました。 外側にクラックが入っていたのが二つあとは 口の欠けと高台の欠けがあるだけでそれを直すと ほとんど問題なく使えます。 こんなふうに修理に帰ってくると間違った仕事はしていないと確任 できるので本当に助かります。


修理のお椀 十三年くらい使ってもらったお椀が修理に帰ってきました。 家族七人分の修理です。 普通に使っていればこんなに育つということがよく解ります。 今回は、新しいお椀と入れ替えに帰ってきました。


こき錆

こき錆 今回の下地で使ったへらたちです。 幅の広さや刃の角度、アールのつき具合など微妙なところで 仕事の能率が違ってきます。それと道具の手入れは作り手として 常日頃から気をつけています。


こき錆 これで下地が上がりました。下地をしてできいるときはなにも考えないで仕事が できるので気楽に作業ができます。下地の材料をあわせるにも 意外に楽しい作業です。


錆 地磨きをして錆を付けました。地のピンホールを止めるのが 目的ですから地をなぞるように薄くつけます。


三辺地

三辺地 三辺地をつけて地は上がりました。 下地は早く片付けてよく涸らしておくことが大事です。


二辺地

二辺地 二辺地をつけて磨いた状態です。 一辺地をつけるとあとはなぞるように 薄くつけていきます。 今年は展示会を一回もやらずじまいで 何か自分の中でも消化できていないものが いろいろあります。それを少し書いてみました。 >>続きを読む


漆の紅葉

漆の紅葉 もうすっかり秋も深まり 山には初冠雪の便りもあり これからはだんだん寒くなっていきます。 その中で一番鮮やかな紅葉は 漆です。場所によって鮮やかさが微妙に違うので ほんの一瞬ですが楽しませてもらっています。


地 一辺地をつけています。 下地をしているときが一番落ち着いて仕事がで来るので なにも考えないでへらまかせで下地がきれいについたときの気持ちの よいことは何者にも変えられない喜びです。


地 見えないところの仕事の代表が下地だと思います。 何百年前の文章にもよいぬりものはどれだけきちんとした下地をしたかで決まる と言うことが書いています。 自分で使ってみてもその通りだと思います。


布着せ

布着せ 全体をきれいに磨き布着せをしました。 木地と布がきちんと未着するように 又、布がよれないように糊漆をへらでしごいて 余分な漆が残らないように気をつけて 着せるのがこつです。


木固め

木固め こくそを三回ぐらいして磨き 呂瀬漆で木固めをしました。 木固めを生漆でするというのはかなり問題のあることだと思っています。 四十年近く漆の仕事をしていればそれなりに解ってくることです。


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