…再津軽塗の逆襲!!…
「漆のモノを使って」と言ったのをはじめに聞いたのは
NHKの”今日の料理”で辻嘉一さんの一言でした。
それは1960年代のことだと思います。
弘前ではあたりまえに津軽塗を使っているので
私などは津軽塗が漆の仕事だと認識していない状態でした。
そのころの漆の仕事はしっかりした仕事がまだあったのだと思います。
確かに私が仕事始めた頃は、上手、名人と言われる人がおりました。
その人たちが本当にまぶしく見えました。どんなにがんばってもかなわない人が
まわりに何人もいました。もちろん今は漆のモノが使われなくなり大変な状態になっているのですが
1960年代と基本的には代わっていないと言うことなのかなーと思っています。
しかしこの頃、漆のモノの動きとして”ふだん使いの漆”というブームがあるみたいです。
全消し塗り立ての仕事が漆の仕事の王道みたいにマスコミに取り上げられています。
こうなれば、会津、川連の仕事が復活するかもしれません。
弘前の仕事の呂色仕上げは、無視される状態になるのでしょうか?
弘前の漆の仕事ほどバリエーションがある仕事はないと思っています。
何百年も前から研ぎ出しの仕事が大勢を占めることはありませんでした。
漆の仕事であんなこともこんなこともできるというのが研ぎ出しの仕事のおもしろいところだと思っています。
また呂色の艶は何ともいえない独特の艶がでます。この艶がうまくあがったときの
気持ちは最高の達成感があります。この艶の見方が玄人でもわかる人は少ないと思います。
「見ていると、トロリとして眠くなる艶」が呂色の仕上げの極意だと三上勝三さんが言っていました。
”全消し塗り立て、呂色も混ぜて”というのが今の私の心境です。