2008年10月

こくそ

こくそ 久ぶりにあまり良くない木地でこくそのしがいがあります。 ふしやクラックがほとんどみんなにあり、見落とすとあとからいろいろと問題が出るので 慎重に探しながらこくそ彫りをしました。


こくそ お椀の下地が終わったので続けて八寸の丸皿の下地をすることにしました。 まえに作ってもらったのは桂と栃で仕上がってきましたが今回は桂が何枚かとあとは朴でした。 弘前では素地としてあまり多く朴木を使わないのでやはりここでもきちんとした下地が必要になります。


蒔き地固め

蒔き地固め 地の粉に漆をこきつけるようにして 下地固めをします。 これでお椀の下地が終わります。 なんやかやで二ヶ月かかってしまいました。 これから半年以上涸らすことになります。 お椀の命は内側の仕事です。 どんな材料を使いどんな仕事をしてかで 同じお椀でも全然違うモノになります。


蒔き地

蒔き地 一回目の蒔き地を磨いて 二回目の蒔き地をして余分な地の粉をとり 内側を空研ぎしておきます。 十分に乾いて状態でなければ 次の仕事には進めません。


蒔き地 本地のくくりが乾いたので一辺地を蒔き地しました。 これも二、三日からします。 ともかく完全に乾いた状態にしてからでなければ 次の仕事には進めません。


下塗り

下塗り 磨きが終わったらきれいに泥を拭き取り 外側の下塗りをします。一応 ここまで仕上げておいて元のお椀の下地に戻りたいと 思います。


下地固め

下地固め 下塗りが乾いたので、外側の下地固めをします。 漆をすり込んで乾いたら磨き(空研ぎ)をしておきます。


下塗り

下塗り まず、内側を塗ります。 これも一種の捨て塗ですから 厚く塗らないでむら無く塗ることを心がけます。 内側はいくら固めをしても ピンホールだらけです。 そのあと高台の下を塗っておきます。


錆研ぎ

錆研ぎ 約五十個くらいのお椀です。 外側を研ぐのはほとんど問題がないのですが 内側は多くのピンホールがあり それを止めるという仕事があります。


錆研ぎ 本地のくくりは次の日も乾かなかったので まえに下地を上げておいたお椀の錆研ぎをすることにしました。 一年以上まえの仕事です。 下地をからすと言うことは大事なことだと思っています。


くくり

くくり 本当にこきつけるようにして布と木地の境目を 埋めていきます。 決して厚くつけてはいけません。 厚くつけると乾かなくなったり、 にかんでしまいます。


くくり お碗の内側は一番酷使されるところなので それに耐えられるような下処理が 必要です。これは本地と言って漆と地の粉だけでつくる下地です。 漆は素黒目漆に少しの生漆をいれてみました。


錆こき

錆こき これでお碗の外側の仕事は終了しました。 錆こきが終わり一段落と言うことです。


錆こき 化粧錆も錆のへら目をとることを考えて 薄くつけます。ともかく次の仕事がスムーズにいくように 作業をしていくことが大事です。下地は根気がいる作業だと思います。


錆みがき

錆みがき 化粧錆をするために一回磨きました。 弘前では錆こきといいます。 一種のおまじないみたいなもののような気がします。 これで外側の下地は終了ということになります。


< これで錆を付け終わりました。 錆は地の目止めと言うことを 気持ちでつけています。 三十年以上前に昭和初め頃の重箱を 修理したことがありましたが その重箱は錆が厚塗りしていたため いくら直しても錆のところからふくれてくるという ことで修理を中断したことがありました。 それほど錆は下地材として信用できません。


錆 お椀を初めてつくったときは、 本当に手探り状態でした。 錆も付けないで仕事をしたこともありましたが 地を直接水研ぎすると砥石が異常なまで 減ってしまいたいへんな思いをしたことがありました。 また下塗りのときのピンホールが異常にあり あとで錆をこきつけたこともありました。


錆 地の仕事が終わりピンホールをとるために こきつけるように薄く錆を付けます。 下地の材料で錆ほどヤワなモノはないと思っています。 ”錆を厚く付ける下地はしてはいけないことだ。” とよく先輩たちが言っていました。


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